産後、ひどく憂鬱な気分になり、何に対しても興味や喜びを感じないような状態が2週間以上続く状態を「産後うつ」と呼びます。産後2~3週から6カ月ぐらいの頃に発症することが多く、一般のうつに比べて不安や焦燥感が強く、様々な症状が出て重症化しやすい傾向があります。
 
 その症状は様々な形で現れます。赤ちゃんを可愛いと思えなくて、家事や育児をする気が全く起きなくなったり、赤ちゃんの母乳の飲みが悪いと過剰に心配したりします。母親失格だと思って自分を責めたり、悲観的にしか物事を捉えられなくなり、ひどくなると自殺してしまいたいとまで追い詰められる方もいます。眠れないとか、食事がとれなくなったりするのもそうです。
 
 これは「産後の女性はみんな、赤ちゃんが生まれて幸せいっぱい」という間違ったイメージからくるものです。


緊急搬送や予定外の帝王切開など、状況を理解しきれないまま出産が進むと、出産そのものを受け入れられなかったり、何が悪かったんだろうと自分を責めたりすることがあります。復職に関するトラブルがあることも要因になります。
 
 産後うつは人間関係や住環境の変化など環境的な要因によって引き起こされます。出産は10カ月かけて心身に変化を起こし、産後は外傷による痛みが大きく、人によっては痔や恥骨の痛み、骨盤の違和感などもあり、最低でも1カ月は安静が必要です。授乳もあり、家庭によっては上の子の世話や家事などで動かざるを得ず、負担が増えます。
 
 その結果、それまで余裕があった時にはできていたことができなくなり、いろいろなことが問題が表面化し、産後うつという形で現れてくるとも言えます。


 まずは住んでいる地域を担当している保健師に連絡して相談してみてください。産後うつに理解のある医療機関、訪問や入所サービスなどの情報が得られると思います。
 
 医療機関にかかった場合、ほとんどがカウンセリングによる治療になります。認知行動療法も有効です。


生まれたばかりの赤ちゃんは、親の都合なんか全く構わず、泣く!寝ない!お腹が空いたのかと思っても飲まない!勝手に寝る!突然起きてなく!
 
我が家も上の子が生まれて一ヶ月間は「そのうち死人が出るなぁ」と思ってました。
 
「眠れないんです」とつらさを吐露しても、周囲は「育児なんてそんなもの」「母親は眠れなくて当たり前」と取り合ってくれないことも多いようです。
 
 でもわが子に恐怖心を抱いていることに罪悪感を覚えて、誰にも打ち明けられず、どこにもはき出せない思いはさらに深みへはまります。
 
「育てられないなら産まなければよかった」「このつらさから逃れるには死ぬしかない」と自殺を考えてしまうようになることもあるでしょう。
 
 こういう時には、子育てはまったく思い通りにはいかないとものだと覚悟を決めて、
 
 「人に頼ること」
 
が、産後うつにはまらないポイントのような気がします。